【超訳】『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』(冨山 和彦)を1分で超ざっくり解説してみる

「アフターコロナ」「ポストコロナ」はどうなるのか。日々、テレビやネット上を賑わす見通しは今ひとつ説得力に欠ける。そんな風に感じている人におすすめなのが、冨山 和彦氏の新著『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』。
著者の 冨山 和彦氏が、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)や産業再生機構、経営共創基盤などに在籍しながら経験した企業再生のノウハウをもとに、確からしい今後の見通しと期待が書かれています。

すごくざっくりと言ってしまうと、「今回のコロナショックは、これまでの経済危機と質が異なる」「立て直し方にもプラクティスがある」というのがこの本の趣旨。

1点目、 「今回のコロナショックは、これまでの経済危機と質が異なる」について。
ここを理解するには、L(ローカル)・G(グローバル)・F(フィナンシャル)の3つの市場に分けて考える必要がある。L(ローカル)とは、つまりは各地方の飲食・小売などの産業。G(グローバル)は製造業など大手グローバル企業の市場。そしてF(フィナンシャル)は金融市場をさす。このとき、例えばこれまでのリーマン・ショックのときは、Fの金融市場に端を発し、G(グローバル)に影響を及ぼしたものの、飲食店やサービス業などL(ローカル)市場に与えた影響は比較的軽かった。かつ、労働者の8割はこのL(ローカル)市場に属しているので、失業問題も「トップダウン」の派生的な影響にとどまった。
一方で、今回のコロナショックは、外出や遠出の自粛によりL(ローカル)市場が先に壊滅してしまう。すると8割の労働者に影響が出る。 G(グローバル) 市場の多くは、自動車・家電・住宅・衣服など「買い替え需要」に由来するものが多い。すると、財布が心もとなくなったL(ローカル)市場が「わざわざ今、買い換えなくても良いや」と、2~3年くらい簡単に買い控えをしてしまう。するとG(グローバル)市場、F(ファイナンス)市場も足場から崩れてしまう、「ボトムアップ」型のクライシスなのである。
さらに、リーマン・ショック後の立て直しの中心となった「中国マネー」や「オイルマネー」も、今回は期待できなそう。そういったことも追い打ちをかけて、今回のコロナショックは根が深いのだ。

2点目、「立て直し方にもプラクティスがある」 について。
ここについては、経営者のノウハウに近い内容が多くなってくる。専門用語をなるべく避けて要約すると、窮地のときには「手元のキャッシュが大切」(短期的なPLを捨ててでも)や、「リーダーは常に最悪を想定し、ときに独裁的に決断することが必要」といったことが書かれている。
そしてDX(デジタル・トランスフォーメーション)にとどまらない、CX(コーポレート・トランスフォーメーション)が必要になってくる。この詳細は6月に発売される別著に詳しいようで、やや尻切れトンボ感のある内容になっている。

日本経済は、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナショックと、「100年に一度」規模の危機がおよそ10年周期で迫ってきている状況だ。今回のコロナショック後の「立ち直り」術を会得・実践し、また10年後、20年後の危機に備える大局観を身に付けたい人にはおすすめの一冊だ。